らんどぬ

ロングライドと自転車についてのブログです。山・旅・グルメ・温泉のあるウルトラロングが好きです。2017年から毎年Super Randonneur、2019&2023年PBP、2021年R10000、SR600x11、RM2700日本縦断、The Peaksなど。

SR600KW(SR600紀伊山地の世界遺産)

昨年発表された「SR600紀伊山地 世界遺産」を走りました。古の修験者が巡った熊野の山と世界遺産ロードバイクで巡るという、ブルベの楽しさがテーマパークのように詰まった素晴らしいコースでした。こちらはNotesからの引っ越しです。

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かって修験者が修行した道を走る

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獲得標高10031m

概要

[5/25]スタートは岸和田りんくうタウン駅近くのセブンイレブン。0500丁度に買い物をしてスタート時間を証明するレシートをもらい、最初のピーク葛城山へ向かう。10%前後の続く厳しめの登りを越えてPC2葛城山山頂に到着。

ここからのR24までの下りは傾斜がきつく、滑りやすいコンクリート舗装、クレーチング、段差も多いので慎重に下りる。

続いて世界遺産のPC3丹生都比売(にうつひめ)神社に向けて上る。空海高野山金剛峰寺(PC15)を建立する時にこの神社が神領を寄進したと伝えられている。ピークのトンネルを抜けると静かな田園風景が広がり、抜けて神社に到着。

その後は平坦区間を抜けてPC4モンベル五條店を通過し、三つ目のピーク、桜の名所吉野山へ。吉野神宮駅の右折からきつめの登り。参道の茶屋にて名物柿の葉鮨+お稲荷+うどんでがっつり補給した後、PC5コウヤマキの群生着。

吉野山を下り、R169を40kmほど南に向かって緩やかに上る。右側には、吉野山熊野三山を結び80kmに渡って峰々を踏破する修験道、大峰奥駈道が通る大峰山。かっての修験者はどのように山を越えたのだろう。

140kmあたりの和佐又トンネルを超えると長いダウンヒル。152kmの道の駅吉野路上北山のコンビニで補給と休憩。そこから下り基調でPC6七色ダムを超え、山間の道をたどって、夕刻の美しい棚田風景が広がるPC7丸山千枚田着。

丸山千枚田からは多少悪路を経て下り、その後川沿いに平坦基調で熊野三山の一つ目、PC8熊野速玉大社へ。

夕食を済ませ、予約しておいた新宮のホテルに20時前にチェックイン。リスタートまで5時間睡眠できるのは悪くない。初日の走行距離234km。

[5/26]2amにリスタートし、熊野の山を目指す。熊野三山二つ目のPC9熊野那智大社を通過、那智山スカイラインを上って那智高原へ。周りは真っ暗、動物の鳴き声の中を修行のように黙々と上る。途中妙法山の卍を通過。

さらに上って那智高原のピークにたどり着いたころに夜が明けた。

ここからK43,45,44と県道を40kmほど走りつつ二つピークを越えるのだがこの区間は曲者。森の中の一本道なのだが、一部区間で舗装が剥がれ、大きな穴が無数、土砂も浮いている。さらに湧き水で深い水たまりだらけ。明るいときに走ることを強くおすすめしたい。

県道ゾーンを抜けると国道に入り、川沿いを気持ちよく走る。随所に熊野古道への入り口があり、トレッキングされている方もちらほら。挨拶などしながら快調に走って瀞峡トンネルを抜けると「え、そこに曲がるの?」という道へ進むように指示が。そしてこのトンネル。

真っ暗な中を抜けると十津川村に入り、玉置山への登りが始まる。10%越が延々続くところもある今回の大ボス区間。この登りは厳しかった。

標高1000mのPC10大峯奥駈道石碑に到着。大峯奥駈道は75の「靡(なびき)」と言ういわばチェックポイントを巡るのだが、この玉置山は第10靡。PC番号と一致しているのは設計者の意図かな?しばしこの道を駆けた修験者に思いを馳せつつ休憩。

対向車に気を付けながら下り、十津川温泉で100kmぶりの補給にありつく。PC11熊野三山三つ目の熊野本宮大社にて名物熊野もうで餅と抹茶で一休み。

さらに熊野古道中辺路に沿って国道を走る。中辺路は和歌山県の田辺と熊野三山を結び、かっては多くの参詣者が寒い中でも水浴びをして心身を清めながら熊野三山へ歩みを進めたそうだ。

途中に「九十九王子」と呼ばれ点在する王子(=神社)の一つ、PC12近露王子跡(13:51)に到着。お誂え向きの藤棚のベンチで横になって少し休憩。その後いくつかアップダウンを超えて、二日目の宿泊地、日本三大美人の湯こと龍神温泉に到着(17:15)。

宿泊は有軒屋旅館さん、ロードバイクは玄関屋内で預かっていただき、なんと貸し切り渓流露天風呂まで楽しめた。到着時間によっては食事がとれないことを想定して宅急便にて送っておいた食料で補給。充電等済ませて130amのリスタートまで6時間しっかり睡眠をとることができた。二日目走行距離228km。

[5/27]リスタート後は今コース最高地点の護摩壇山への上り。周囲は真っ暗闇、動物の声しかせず、車も全く通らない。こういう暗闇を黙々と上っていると無の境地になる。標高1280mの最高点を超え、PC13着。

高野龍神スカイラインを快調に下った後、右折して野辺川村へ。下り基調だが路面の段差が多く落石もあって気を使う。空が少し白み始めるころ、もう一つの熊野古道高野山熊野三山を結ぶ参拝道小辺路の看板PC15着。

きつめのピークをいくつか越えて高野龍神スカイラインに戻ると、あとは下り基調でPC15高野山金峰寺に到着(6:12)。新宮以来250kmぶりのコンビニに修験者の世界から現代に帰ってきたような感覚さえ覚える。

海南まで50kmの下りは文字通り「下界に戻る」感覚。久しぶりの市街地走行に気をつかいつつPC16着。このあたりから信号峠がきつい。PC17で最後の坂を上りゴールへ向かう。りんくうタウンが見えた時には感動しました。

走行データ

SR600KW - A bike ride in 泉佐野市, 近畿地方

走行時間: 29時間58分

所要時間: 54時間22分

平均スピード:19.5km/h

宿泊

新宮

gran-hotel2017.com

龍神温泉

goo.gl

完走のポイント

  • 新宮と龍神温泉の2箇所で宿泊が計算しやすく、走りやすいコースだと思います。
  • R169の上りは隠れるものが無く、天気の良い日はかなり暑くなります。
  • 十津川村から玉置山への上りが最も厳しい上りです。
  • 龍神温泉で宿泊される方が多いかと思います。護摩壇山が最後の山に見えますが、越えても高野山までは細かいアップダウンが続き時間を喰うのと、終盤は若干信号峠もありますので、余裕を持って。

キーになる補給ポイント

グルメ・温泉

日本三大美人の湯こと龍神温泉が二度目の宿泊にちょうどいい場所にあります。

まとめ

厳しいアップダウンながら美しい風景と歴史遺産が続く素晴らしいコースでした。また走ってみたいと思います。