らんどぬ

ロングライドと自転車についてのブログです。山・旅・グルメ・温泉のあるウルトラロングが好きです。2017年から毎年Super Randonneur、2019&2023年PBP、2021年R10000、SR600x11、RM2700日本縦断、The Peaksなど。

SR600Kyoto(SR600京都)

5本目のSR600を完走しました。これまでで最も過酷なSR600でした。

ハイライト

SR600京都は、前半と後半で全く表情が変わります。

900に京都駅を900スタート。前半は京都から京丹波日本海若狭湾への気持ちの良いサイクリングです。

京都市街を北に抜け京見峠を越えると、しばらく平坦基調が続きます。この区間の本格的な登りはPC3のある子午線クロスラインごうろくらいです。

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    子午線クロスラインごうろの14%登り

城崎温泉日本海に至り、海沿いのアップダウンを抜けます。このエリアはビーチ・温泉宿・海鮮宿がたくさんあります。最初の宿泊地丹後町に2150着。

翌朝430にリスタート、211kmPC6から丹後縦貫林道(超級・12.8km・6.0%)に入ります。距離はありますが道は広く気持ちよく登れます。高原牧場もあり、上からは丹後半島越しに日本海の絶景が広がります。

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丹後縦貫林道からの絶景

天橋立砂州と松林を抜けます。

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天橋立

宮津の先で県道のアップダウンを抜けると舞鶴、小浜。舞鶴には海自の基地があります。また海鮮の店がたくさんあります。私は若狭のフィッシャーマンズワーフで昼食を頂きました。

小浜を抜けて後半がSR600京都の本番、がらりと雰囲気が変わります。まずエンゼルライン(1級・8.5km・6.3%)。ほぼ一本調子で9%前後の登りが続きます。

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エンゼルライン頂上から若狭湾を望む

エンゼルラインを下るとすぐに難所の若狭幹線林道。20km以上続くグラベルに、3km8%が最初に、その後2km9%の登りが2つあります。またここのPC9の看板はルートから外れて公園内にあるので要注意です。

私は抜けるのに2時間かかりました。

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若狭幹線林道は20km以上続くグラベル

下界に戻りしばらくは田園地帯を走ります。394kmで県道35号に左折するところのコンビニは重要な補給ポイント。この後80km、山深い中峠を4つ越える、補給が見込めない難所です。

まずはおにゅう峠(16.4km・6.0%)。雨の中の登り、最後の3kmはきつかった。

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おにゅう峠は16km5.9%、最後の3kmは9%の登り

おにゅう峠の後も、人気のない山の中、能見峠(6.7km5.5%)、花背峠(8.5km4.8%)、百井峠(1.5km8.3%)と越えます。最後の百井峠の最初の600mは16%のほぼ直登。

逆に、PC12の先、前の畑峠からの下りは2kmで-11%、道も狭く緊張を強いられます。

琵琶湖近辺に着くと久々の人里で本当にほっとします。ここで2泊目。

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琵琶湖の夜明けの中リスタート

SR600京都は最終日も厳しい。琵琶湖から先、最後の120kmで獲得標高2645mを越えなければなりません。最初に金勝山(1級・8.6km・6.1%)。その後アップダウンを越えて、御斎峠(9.1km・4.1%)、三国越林道(2級・6.8km・6.3%)を登り、さらに山間のアップダウンをこなした先に、金胎寺への強烈な登り(1級・6.5km・7.8%)が待っています。

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金胎寺への登りの序盤、犬打峠への登りは1.7km10%

そして最後の難関がその先の下り。2.8km、-8.2%、本当にロードで走れるのか?という強烈なガレ場を下ります。

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金胎寺からの下りは強烈な悪路が4km続く

国道に出るとあとはウィニングラン宇治川沿いに走り、平等院・京都伏見稲荷を通り、ゴールの京都駅です。

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夕暮れの京都伏見稲荷

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ゴール京都駅

攻略のポイント

走行データ

  • 総経過時間56:26
  • スタート900、宿泊2回(206km京丹後6.5時間、490km琵琶湖5時間)。丹後半島の絶景ポイントと天橋立を朝方に見たかったので、900スタートにして200kmの京丹後泊にし、2日めの昼のうちに若狭幹線を抜け、夜におにゅう峠を走ることにしました。

冒頭でも書きましたが、難易度の高いSR600でした。

難しい点1:後半に獲得標高が集中している

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最高標高は低いが多くのピークが後半に集中

11688m(RWGPS)の獲得標高のうち、後半300kmで獲得標高7876mです。参考までに他のSR600の後半300km獲得標高は、SR600Fuji5954m・紀伊山地4970m・福島5381m・奥入瀬5286m。SR600京都の後半の強烈さがわかります。

 

難関2:悪路と下り殺し

林道若狭幹線、金胎寺からの下りの他も、多くが本格的な林道で、ギャップ・落石・苔生して滑るところだらけ。なかなかタイムを稼げません。

 

難関3:補給難区間

  • 214km丹後縦貫林道に入ってから30kmほど
  • 320km小浜のファミマからエンゼルライン・林道若狭幹線を経て369km道の駅まで。林道に入ると自販機もありません。
  • 391kmFM小浜東市場店からおにゅう峠を越えて476kmセブンイレブン大津伊香立公園前まで。この間自販機も確か2台しか見かけませんでした。
  • 526kmセブンイレブン信楽町中野店から573kmローソン和束南店。545kmで三国越林道に入ると559kmまで自販機もありません。

装備

グラベル対策は特にせず、コンチ5000の25Cで走りました。グラベルはなんとか走れましたがパンクは計3回。

ギアはいつものフロント50-32、リア11-30。フロントはSugino Cycloid。だいぶ助けられました。

また今回は本当にディスクブレーキの恩恵を感じました。

宿泊

  • 京都:ロイヤルツインホテル京都八条口 自転車持ち込み可、新幹線ホームから5分
  • 京丹後:とト屋 自転車は室内保管、持込みも大丈夫そう。22時までチェックイン対応頂き、朝食はおにぎりにしていただけました。
  • 琵琶湖:ホテル琵琶湖プラザ 自転車持ち込み可、計画ミスでチェックインが午前2時になったのですが、とても丁寧に対応いただけました。

最後に

緊張感の高いコースでした。夜の林道では野生動物に随分会いました。

また天候には相当シビアなコースだと思います。私が走った日は台風通過直後の曇り時々雨くらいの天候で、暑さは押さえられ幸いでしたが、林道は落石・倒木・落ち葉だらけでした。金胎寺後などの厳しい下り区間は雨が降るとかなり危険だと思います。

走力に加え、計画力、補給、リスク対応、悪路に対応するバイクコントロールなど、総合的な力が試される難易度の高いSR600でした。