SR600四国山脈に挑戦しました。結果は途中通行止めにより418kmにてDNF。しかし、UFOライン・石槌山・四国カルスト・剣山といった壮大な山々、美しい渓流、落人伝説の残る山間集落や祖谷の秘境、日本有数の”酷道”439、温泉、グルメを堪能。難しいながらもまた挑戦したくなる、素晴らしいコースでした。
コースの特徴
獲得標高17199m(RWGPS)。西日本最高峰の石槌山/UFOライン・四国カルスト・剣山他、超級山岳が9、1級が1。平坦は早明浦ダム沿いの50kmくらい、残りは登りか下りです。
また、日本有数の”酷道”R439(通称ヨサク)など悪路が多く、下りで時間を稼ぎにくいです。
さらにコースの大半が補給難。コンビニはコース上に4箇所しかなく、その他も補給可能な場所・時間が非常に限られます。
走行データ
ハイライト
スタートは0300。悪路の夜間走行をできる限り避けつつ、限られた宿泊・補給場所の通過時間を考え、この時間に設定しました。
つるぎまでの400kmは、専ら四国山脈の景勝地をめぐります。まずはコース最長の49km3.8%、寒風山トンネル〜UFOライン〜石槌山の登りから。トヨタのCMにも使われたUFOラインで幻想的な夜明け。
PC1を通過すると48kmの下り、綺麗な路面を気持ちよく下ります。97kmの道の駅みかわのYショップ(0700-1800)が最初の補給ポイント。ここを過ぎると215kmまで補給ポイントはありません。
補給を終え、PC2通行止めのため設定された迂回路、四国随一の渓谷美と言われる小田深山渓谷に向かいます。PC2ほうじが峠への登りは12km6%、渓流沿いの気持ち良いコースですが、下りは渓流沿いに荒れた路面が続きます。ここで石をよけ損ねて最初のパンク。
国道に戻り、次は地芳峠から日本三大カルストの一つ、四国カルストを横断する県道383(通称天空の道)へ登ります。PC3姫鶴平まで、15km6%。3度めの四国カルストクライムですが、今回初めて天気に恵まれました。
ピークからPC4恋愛成就のご利益があると言われる「ハートの滝」長沢の滝へ下ります。ここも路面は問題ありません。
滝を過ぎ、四万十川源流近くの峠を越えると、しばらくは川沿いの下り基調。久しぶりのローソン・ファミマがあり、ひと息入れます。
ここから二段階でPC5天空のバルコニーへ登ります。最初の登りはR194に入って新大森トンネルまで12km3.6%。その後少し下った後国道を離れ、発電所の脇の「本当にここ?」という坂を、9km8.5%登ります。
天空のバルコニーからの下りの路面はそれほど悪くありませんが、所々に幅8cmほどの蓋のない排水溝が道路を横切っているので要注意。
ここで初日は終わり。一泊目の拠点、277km地点の旅館食堂筒井に、予定より30分早く2130着。遅い時間の到着OK、夜と朝はお弁当を用意頂き、大変助かりました。
翌朝415にリスタート。早明浦ダム近辺は45kmほど続くこのコース最長の平坦区間。道の駅さめうらや、コンビニがいくつかあります。
平坦区間を過ぎると難所のPC7京柱峠18km5.4%。険しい斜面に点在する村を抜けながら登っていきます。この峠は登り以上に下りが難所。舗装の剥がれているところや段差、割れ目など、相当に気を使います。夜だと相当厳しいのでは。ただ徐々に補修が進んでいるようで、新しい舗装の区間もそこそこありました。悪名高い京柱峠の緊張感を満喫(笑)するなら、早めに走ったほうがいいのかもしれません。
京柱峠の先は日本を代表する秘境、平家落人伝説の残る、祖谷の落合山間集落です。登ったPC8から集落を見渡せます。
展望台から国道439に戻り、いよいよPC9日本百名山剣山へ、このコース2番めに長い22.7km4.4%の登り。途中には有名な二重かずら橋があります。
長い長い登りの後の剣山頂は飲食店・土産物店があり貴重な補給ポイント、かつ昼に通過すれば、美しい山頂を仰ぎ見ることができます。
山頂から20kmほど下ります。つるぎ町以後は雰囲気が変わり、景勝地というより何もない山深い道の連続になります。
県道304から林道大惣大宗線へ、11km7%の登り。最初は渓流沿いを淡々と登りますが、中盤に4km10%の激坂区間があります。
そして・・・登りきってPC10まであと1kmほどのところで、土砂崩れに遭遇。
ここまでコースの7割を予定通りにクリア、74km先の祖谷渓の宿まで峠はあとひとつだけ、宿で7時間滞在して時間内完走できるペースでしたが、これもSR600、やむなし。
なおこの通行止めは県のサイトで認識はしていました。確認した時点では自転車なら通れそうだったのでチャレンジしてみたのですが、どうやら状況が悪化したようです。
DNFを決断した時点で1600。しばし撤退方法を考えます。二日目の宿泊地点祖谷渓温泉ホテル秘境の湯に連絡して事情を説明すると、なんとキャンセル料は頂きませんと。ありがたいことです。
せっかくなので撤退を楽しむことにし、つるぎのやどで一泊。地元の保養施設という雰囲気ですが、渓流沿いの温泉・サウナに食堂もあり、綺麗な部屋でゆっくり休めました。
翌朝は、次回の偵察を兼ね、迂回してコースをもう少し走ることにします。少し下り山を越えてルートに復帰、PC11風呂塔キャンプ場への17km6.3%の登りへ。ここは途中にほぼ何もない森の中。計画では夜に登る予定でしたが、相当きつかったと思われます。
PC11を越え、そのままPC13祖谷まで走りたかったのですが、補給切れ。この先補給が見込めないのはわかっていたのであきらめます。
つるぎ以後の終盤は前半にも増して補給可能箇所が少なく、自販機すらないところも多いので、一段の注意が必要そうです。
山を下り、R192で四国中央市へ、伊予三島駅から輪行で伊予西条駅に戻りました。道後温泉で一泊して、最後に空港で名物の鯛めしを。
走行のポイント
- 日中天気のいい間に厳しい峠や悪路を通過するよう組めば、攻略が容易になると思います。逆に雨天・夜間に、あの悪路区間や、つるぎから先の林間区間を走るのは、かなりきついと思います。
- R439とR438は、工事による時間帯通行止めが数多くあります。道路交通情報はこちら。ほとんど工事の合間に通してくれましたが、最高は20分ほど足止めされました。週末は通行止めは無いようなので、気になるのであれば週末にこの区間を通過したほうがいいかもしれません。
過酷で名高いSR600四国山脈、DNFではありましたが、あの地点まで行けたことは自信になりました。PC10が再開したらまた挑戦しようと思います。