シューペル・ランドネ600はブルベの種目で、600kmで10000mの獲得標高を60時間で走ります。日本には現時点で13のコースが認定されており、いずれも日本を代表する山岳グランフォンドです。
その一つ、SR600福島(Super Randonnée 600km Fukushima)。磐梯吾妻スカイラインを筆頭に会津福島の美しい自然と歴史をめぐるこのコースを走ってきました。
概要
前半300kmは、磐梯朝日国立公園の大自然での山岳ツーリングです。郡山を出てまず、戊辰戦争の戦跡母成峠、冬は福島最低気温となる土湯峠、そして日本百名道の磐梯吾妻スカイラインを登ります。
吾妻小富士から下った後に、裏磐梯秋元湖、中津川渓谷を抜け、磐梯山ゴールドラインを経て、日本第四位の広さを誇る猪苗代湖へ。湖畔を走った後は人家もほどんどない林道で背あぶり山を越えて、白虎隊の会津若松鶴ヶ城に至ります。
会津若松で久しぶりに街に出会いホッとした後は喜多方へ。一泊して朝ラーメンで補給した後、桧原湖から西吾妻スカイバレーで白布峠を越え、米沢へ至ります。米沢までの300kmで獲得5873m。
米沢からは伊達政宗ゆかりの米沢街道で、峠の力餅で有名な、奥羽本線最高地点、かってはスイッチバックでしか登れなかった峠駅に向かいます。この区間は勾配10%を超えるダートが続く、ブルベ歴の中でも記憶に残る悪路でした。
そして終盤、福島市から阿武隈山地を抜け、南東北を代表する酷道の一つ399号を走ります。目立つ峠は無いもののアップダウンが繰り返し現れる240km、獲得3608m。個人的にはここがいちばんきつかった。
春ならばきっと綺麗であろう三春の滝櫻を過ぎれば、すぐにゴールです。
走行データ
SR600福島 - A bike ride in 郡山市, 福島県
距離: 602.7km
獲得標高:10263m(Garmin実測値)
走行時間: 32時間50分
所要時間: 55時間20分
平均スピード:18.4km/h
宿泊:
喜多方グリーンホテル滞在7時間
ホテルルートイン いわき駅前滞在6時間
いずれも自転車は部屋に持ち込み可
自転車はフロント預かり。日帰り入浴可なので完走後にも。
完走のポイント
- 紅葉を狙うと10月中旬の出走になります(私は10月10日)。雨が降ったこともあり温度差のマネジメントには苦労しました。後半雨に降られ、あまりの寒さにコインランドリーに駆け込んでウェア全部を乾燥してしのぎました。
- 200kmごとの獲得標高は、4115/3252/3097mとなります。最初の磐梯吾妻スカイライン〜磐梯ゴールドラインあたりまではアドレナリンで越えてしまうと思いますが、猪苗代から先、ほぼ同じような難易度でアップダウンが続きます。特に後半阿武隈に入るとペースが変わり大きな峠が無くアップダウンが続くので、ペースコントロールには注意が必要です。
- 補給がしにくい区間に注意。母成峠に登り始めてから土湯を下るまで、猪苗代〜会津若松、桧原湖〜米沢、峠駅前後、小野新町〜いわき、いわき〜川内あたり。
- 夜間走行で山中を走る可能性が高いのでヘッドランプを着用したほうがよいです。
- 峠駅の前後は、いくつかのブログにも書かれていますがかなりのダートで道幅も狭いので注意が必要です。あの区間を夜間に走るのは無理だと思います
キーになる補給ポイント
- セブンイレブン福島荒井店 高湯に登り始める前の最後のコンビニ
- セブンイレブン裏磐梯店 裏磐梯ゴールドラインを登る前の補給
- セブンイレブン猪苗代志田浜店 猪苗代エリア最後のコンビニ これを超えると会津若松まで補給できない
- 吉野家 118号線会津若松南店 会津若松に深夜に到着した場合の貴重な補給ポイント。24時間営業、店内はファミレスのように広い
- ミニストップ 小野新町店 いわきに下る前の最後のコンビニ
- ローソン いわき小川店 いわきからの帰路酷道399を登り始める前の最後のコンビニ
- ファミリーマート かわうち屋店 複合施設になっており広いイートインがある、このあたりで貴重な補給ポイント
グルメ
まとめ
福島の自然が素晴らしく綺麗で変化もあり、厳しいながらも楽しめるコースでした。補給や宿泊の難易度も高くなく計画しやすいコースです。ただし特に後半はDNFしにくいので注意。やはりせっかく走るなら、紅葉の秋がオススメかと思います。